審査結果発表

実現した夢部門 受賞プラン詳細

入選
審査結果
入選
プラン名
森の育ち場 幼児の部 いっぽいっぽ
実施日
2016年4月1日〜 2019年3月31日のうちの600日間
団体名
NPO法人 森の育ち場
主催
NPO法人 森の育ち場
開催場所
北九州市 山田緑地 ( 福岡県北九州市 )
参加者数
7000人
スタッフ数
4人
写真

木の上で

また遊んでね

雨の日も
実施概要
●共に育ちあう場づくりを!

 「主体的に行動する力」「自尊感情」「豊かな感性」を育むことを目的とし、北九州市の緑地公園、山田緑地において幼児教育及び子育て支援活動を実施しています。「褒めない、叱らない、認める教育」を柱に、子どもたちの今の気持ち、やりたいことを大切にした非形式的教育を行っています。大人の決めた行事はなく、その日の活動を、天候やそれぞれの気持ちに合わせて、一人一人がデザインしていくというスタイルです。そして、大人は一方的に教える指導者ではなく、大人も主体的に関わり、一緒に存在し、共感し、ともに学び育ちあっていく存在です。それぞれの存在が丸ごと認められる関りの中で、共に育ちあう場、「主体的に行動する力」「自尊感情」「豊かな感性」を育む場を作っています。

幼児の部 いっぽいっぽ
対象:満3歳以上の未就学児
活動日:月・水〜金を山田緑地にて活動。山田緑地休園日の毎週火曜は、畑を主とした活動を行う。

内容:園舎等を持たず、イベントとしての自然体験ではなく、日常として自然の中での活動を行っています。自然の中での日常の積み重ねを通し、自然という環境の恩恵を存分に享受すると同時に、より深い自然とのつながりが育まれています。また、大人主導の行事を行わず、一人一人の子どもが自分で、日々の活動をデザインしています。気持ち丸ごとを認められる関わりの中で、時間に区切られることなく人と関わり自然と関わり、ともに育ち合う幼児教育の場を提供しています。
アピールポイント・参加動機等
●EDUCATION with PRIDE
 今日、ライフスタイルは多様化し、様々な選択肢が増え自由度は高まっているはずなのに、育児の負担感は増し、社会には見えない空気を忖度するような息苦しさが漂い、多くの人が生きづらさを抱えています。こんな時代だからこそ、ただ自由が与えられるだけでなく、自分の気持ち、人の気持ちを大切に、他者と調和しながら自由を使いこなす力が求められていると感じています。 
 都市部から毎日通うことが可能な森の中で、一人一人の存在が丸ごと認められる教育の場、人と人とが育ち合う場を作り、「主体的に行動する力」「自分を大切にする力」「豊かな感性」を持った人間の土台を育むくことが必要です。そのためには室内などの人間が全てを管理できてしまう空間ではなく四季折々、時事刻々変化する豊かな自然環境と子ども達の成長や心の変化に寄り添っていける人間が作る人的環境の2つの要素が必要なのです。

●山田緑地〜豊かな自然を未来につなぐ 30世紀の森づくり〜
 私たちが活動している山田緑地は、かつて弾薬庫として使われたことで半世紀にわたって、人間の開発から免れてきました。そのため、市の中心地の近くにありながら、豊かな自然を今も保ち続けています。およそ140haの広大な敷地には、森、草原、小川などの多様な自然があり、絶滅危惧種を含む多様な生物が生息しています。山田緑地は、この豊かな自然を守り育てながら、市民共有の憩いのスペースとなるよう整備されています。そして、遠い未来にまでこの自然を守り、30世紀の人々に自然の大切さを伝えたいという願いを込め「30世紀の森づくり」というテーマで、自然豊かな緑地公園として守られています。

●私たちの夢=人間の土台作り 
  森の育ち場では、山田緑地の自然の中で過ごすことで、自然の見せてくれる面白さ、不思議さ、楽しさにどっぷりと浸っています。自然は季節や天候、日々の変化で絶え間ない楽しみを与えてくれると同時に、人間の都合で天気を決めることもできず、時には人間の無力ささえ感じるほどの怖さ、厳しさも見せつけてきます。雨の日も晴れの日も自然の中で過ごすことで、自然の見せてくれる不思議さ、美しさを深く感じ、豊かな感性を育み、一方で人間の力では動かせない自然の力に、折り合いをつける心や謙虚さも育まれていきます。そんな自然が与えてくれる環境は人間の土台を築く幼児教育の場として最適なのです。

 この自然という環境の中で、「褒めない・叱らない・認める教育」という教育観の下、子ども達一人一人が、それぞれのタイミングに合わせた活動を主体的に行う「非形式的教育」を実践しています。やりたい時にやりこむことで「学び」はより深いものになります。自然から得られる学びも、子ども同士の関り、大人との関りの中から得られる学びも、一層深く、濃く、充実したものとなるのです。こうした「自然環境」と「人的環境」が揃ったとき、子ども達は目をキラキラ、ギラギラと輝かせ、それぞれの遊び=活動に没頭していきます。教室の中だけでは足りない、人間の先生だけでは足りないものを自然は持っています。最高の人間形成の場を、山田緑地の豊かな自然は与えてくれています。
 こうした「ありのままの子ども」に寄り添う子育てや、保護者自身もありのままの自分を認め、ともに育ち合っていく子育てを体験していただける場を作ることができました。そして、私たちの事業を通し、子どもの育ちの場としての緑地公園の価値に気づいた方々が、プライベートでも緑地公園を「育児の場」、「乳幼児を連れた交流の場」として利用している姿を見ることは本当に幸せです。

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