審査結果発表

実現した夢部門 受賞プラン詳細

入選
審査結果
入選
プラン名
大イノコ祭り
実施日
2019年 11月 3日〜2019年 11月 4日の2日間
団体名
大イノコ祭りを支える市民の会
主催
大イノコ祭りを支える市民の会
開催場所
袋町公園( 広島県広島市 )
参加人数
9000人
スタッフ数
90人
写真

伝統的な亥の子祭り

竹遊びひろば

大イノコ祭りのシンボル石動(いするぎ)
実施概要
 広島市中区、広島本通商店街などがすぐ近くにある袋町公園で、「大イノコ祭り(おおいのこまつり)」という祭りを開催している。
 2013年より毎年11月上旬に2日間開催する。
 中四国地方の一部に伝わっており、広島でも古くから行われていた「亥の子祭り(いのこまつり)」を原型に創出した広島の新しい伝統である。
 亥の子祭りは、亥の子石に繋いだ綱を子どもたちが引いたり緩めたりして、囃子歌とともに亥の子石を地面に叩きつけるお祭で、町内単位で実施されてきた。
 猪が多産の象徴であることから子孫繁栄、五穀豊穣、商売繁盛などの願ったり、感謝したりするお祭りである。
 この亥の子祭りを原型に、現代の地域コミュニティを受け止めつつ、様々な人々がゆるやかに関われる場の創出を図るため「大イノコ祭り」を袋町公園で実施することになった。
アピールポイント・参加動機等
 以前、広島市街地は、都市のドーナツ化や高齢化、価値観の変化等によって余暇の過ごし方が変化したことによる地域づくりの担い手不足等により、崩壊しつつあった。
その市街地コミュニティを建て直すため2013 年より開催する。
原型となる伝統的な亥の子祭りは、広島市中心部から途絶えて10年近くになっていた。

 袋町公園は、広島市の繁華街の中にある公園で、地域の方々や不特定多数の方々の憩いの場になっている。地域の方々にとっては生活圏にある穏やかな公園でありながら、その他の人には匿名性高く自由にふるまえる公の場という認識もある。近年問題視されているフリーライダーの迷惑行為がこの公園でも見られた。
 この公園特有の環境に合わせて、地域の方々や、ふらりと寄った方々がゆるやかに関わり、節度を持って楽しめ、公園から広がる地域のあり方を大切に思えるような雰囲気を醸成していきたかった。
 もちろん、地域の方同士の交流も、祭りを通して広がっている。
祭りを開催するにあたり、細分化した祭りの担当を担いながら、ゆるやかに関わることになる。
 近隣の顔見知りができることにより、無関心だった町内会へとの関わりができたり、緊急時の助け合いをしやすい環境ができたりしつつある。

 祭りは、2013 年、2014 年は、助成金を受けて商店街が主催として行い、2015 年より竹主(たけぬし)という仕組みで資金を自己調達して独立して開催ができるようになった。それにともなって主催は、大イノコ祭りを支える市民の会に変更した。助成金を受けた2年間でノウハウを学び、3年目に独自開催したことで、助成金を活用した地域づくりのモデルケースにもなると考えている。

 祭りでは、特定の神を祀ることはしておらず、自然への敬意をもち、感謝するという考え方をとっている。 それにより、宗教に関わらずあらゆる方々に参加していただけるものとなっていると思う。

 大イノコ祭りを開催することで、本通商店街の亥の子祭りが開催できるようになったことだけでなく、祭りに関わる企画が進んでいる。
地域のお店と大学のコラボ和菓子や洋菓子、竹材の調達に関わっての放置林の整備活動や竹炭制作、子どもの竹細工体験など、その輪は広がり続けている。

 今後も、人々がゆるやかに関係をもち、地域の歴史的な文脈などを踏まえ、自然の循環を意識した祭りになるよう演出していきたいと考えている。

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