審査結果発表

実現した夢部門 受賞プラン詳細

優秀賞
審査結果
優秀賞
プラン名
大神山公園を固有種の宝庫に!
実施日
2017年1月1日〜2021年8月31日の間の1,699日間
団体名
(特定非営利活動法人) 小笠原野生生物研究会
主催
(特定非営利活動法人) 小笠原野生生物研究会
開催場所
都立大神山公園 ( 東京都小笠原村父島 )
参加人数
200人
スタッフ数
30人
写真

小笠原高校外来種駆除(1)

小笠原高校外来種駆除(2)

小笠原高校外来種駆除
実施概要
小笠原諸島父島の都立大神山公園は、定期船おがさわら丸のターミナルの目の前にあります。小笠原の玄関口とも言える大神山公園を10年以上にわたる計画的な活動で小笠原固有植物の展示場にしました。

・苗育成
小笠原固有植物の多くは、侵略的な外来植物や増えすぎたノヤギの食害で自生地では数を減らし、ほとんどが絶滅危惧種になっています。苗畑で種まきし、固有植物の苗を育てました。

・外来種駆除
ギンネムやホナガソウなどの外来種はいたるところで繁茂しています。定期的に老若男女の島民ボランティアも参加して、毎年一度は小笠原高校の高校生と協力して駆除しています。重労働なので若い力が助かります。

・植栽
苗畑で育てた固有植物の苗を島民ボランティアを募って、公園内のなるべくそれぞれの生育環境に適した場所に植えました。小笠原小学校の校外学習で小学生と協力して植えたヒ メツバキは、2m以上に成長しています。5、6年かけて生長し開花するオオハマギキョウの自生種は、父島で見ることができなくなりましたが、大神山公園では植栽株で見事な花が 見られます。
アピールポイント・参加動機等
海洋島である小笠原諸島は植物の36%が固有種です。独自の進化をとげた生態系に価値が認められ世界自然遺産になりました。

長い間無人島だった小笠原に人が住み始めたのは200年前ですが、その間戦争や米軍統治時代もあり、人によって持ち込まれた外来種(外来植物、ノヤギ、ネズミ等)の影響で、小笠原の固有の生きものは急激に減っています。

大神山は固有種ではシマムロ等の自生地ですが、戦前植栽された外来種のギンネムやホテイチクが広範囲に繁茂し、旧日本軍の要塞跡が残っています。

貴重な固有植物を大神山公園で育成することは、街中なのでノヤギの食害がなく、多くの人が手軽に観察できるという利点があります。

5年間、関わったボランティアは200人。暑い日が多いため無理のないようにして、楽しく会話しながら作業しました。小さい島なのでお馴染みのメンバーが多いですが、時には観光客も参加しました。仕事での短期赴任者が多い土地柄で、その人たちにとっては情報収集や友達作りの場になっています。

自然保護活動への参加は充実感が得られ、誰でもやり始めると一生懸命になれます。新型コロナウイルス感染症拡大後も、島内での感染者は少なかったですが、大人数にならないよう、密にならないよう気を付けながら活動を続けました。

今までに植栽した固有種はアサヒエビネ、ムニンタツナミソウ等34種約1500株です。
現在大神山公園では植栽株、自生株併せて41種の固有植物を見ることができます。

一覧画面へ戻る